2018-08-25

ものの燃え方

【6年 ものの燃え方】  

密閉された入れ物の中で火が消えるのを見ると、多くの子どもは「酸素がみんな使われた」と、思いがちです。でも、実際は・・・。そう、酸素が{たった}3%減って、二酸化炭素がその分増えたのを知って驚きます。この後、「人の体」で呼吸を学びますが、この結果がその時、さらなる驚きになりました。楽しい実験が続く単元です。環境問題の学習にも生きてくる内容です。

1.ねらい

この単元の目標について、教科書の指導書には、「物の燃焼のしくみについて興味・関心をもって~、物の燃焼と空気の変化とを関係づけて、燃焼のしくみについて見方や考え方を持つことができるようにする」。そして、内容は「植物体が燃えるときには、空気中の酸素が使われて二酸化炭素ができること」と、書かれています。

毎年、授業をしていて、気体にも重さがあることを押させておく必要があると考えます。わたしは、5年1学期の「天気」の学習の気圧のところで空気にも重さがあることにふれていますが、子どもたちは、「空気のような気体も物なんだ」と実感したことがありません。ですから、単元学習のはじめにみんなで共通理解しておきたいと思っています。そのために単元で使う酸素と二酸化炭素のボンベを使って気体に重さがあることを取り上げています。

学習のねらいは、
(1)気体にも重さがあることが分かる。
(2)ものが燃えるためには、酸素が必要であることが分かる。
(3)植物体が燃えるときには、空気中の酸素の一部が使われ、二酸化炭素ができることが分かる。

2.教科書を見ると

(1時間目)木や紙のもえるようす
・缶の中で燃やしてふたをしてみる。ものが燃え続けるにはどうすればよいか(学習課題へ) 

(2時間目)(3時間目)ものの燃え方と空気
・ろうそくをビンの中に入れて、「燃え続けさせるにはどうしたらよいか。」
・底に穴を開けて、空気の通り道をつくる→空気が入れかわることが必要である。 

(4時間目)ものを燃やすはたらきがある気体
・酸素・窒素・二酸化炭素の中で燃やす
・「班ごとに3種類の気体すべての実験をすると配当時間内に終えるとができません」と書かれていて、班で分担
 (どの子にも3種類の気体の中で、ろうそくがどうなるか見せて実感させることが大切なので組みかえます)

(5時間目)空気のあるところとないところで、木や紙を熱してみよう。
・気体検知管の使い方・石灰水の使い方

(6時間目)(7時間目)物が燃えた後の空気
・ものが燃える前と後の空気の変化を石灰水や気体検知管で調べる。
 →ろうそくが燃えると、酸素の一部が使われて減り、二酸化炭素がふえる。
 (酸素を〇、二酸化炭素を●で表し、その数の変化で説明…粒子概念?)

(8時間目)「ふりかえろう」「学んだことを生かそう」を行う。
(化石燃料での「くらしと環境」も取り上げる)

3.学習指導計画



時限
課題
内容
1
0
窒素と二酸化炭素のそれぞれ二つの缶の重さを比べてみよう
2
1
下の図でびんにふたをしたらどうなるだろうか。その理由も考えよう
3
2
ふたをしたびんの中のろうそくを、もっと燃やし続けるにはどうしたらいいか。予想をもとに実験で確かめる
4
5
3
酸素・窒素・二酸化炭素という気体を教え、混合気体である空気についての知識を教える
6
7
4
ろうそくが燃える前と後の集気びんの中の空気は同じだろうか
8
9
5
学習のまとめをする。鉄(スチールウール)を燃やす

(1時間目)課題⓪

窒素と二酸化炭素のそれぞれ二つの缶の重さを比べてみよう。

持った感じで予想する

電子天秤で比べる

1リットル当たりの気体の重さが分かる

気体にも重さがあり、気体の種類によって重さが違う 

(2時間目)課題①

下の図でびんにふたをしたらどうなるだろうか。その理由も考えよう

ある学級での予想(話し合いの前後で意見が変わります)
ア:燃え続ける。 0人⇒0人
イ:ほのおが小さくなり燃え続ける。 5人⇒6人
ウ:少しして消える。 19人⇒23人       
エ:すぐ消える。 5人⇒0人
自分①⇒討論⇒自分②⇒実験⇒まとめ

(3時間目)(4時間目)課題②

ふたをしたびんの中のろうそくを、もっと燃やし続けるにはどうしたらいいのだろうか。予想をもとに実験で確かめる。

①ふたを動かす。
②びんの大きさを変える。(小:150cc、中300cc、大600cc)
③びんに穴をあける
・自分の考え①⇒討論⇒自分の考え②⇒実験⇒結果⇒考察
・まとめ
びんの中の空気が多いほど長く燃える。
穴をあけると空気が入っていくから燃え続ける。
空気の量がもえる時間の長さに関係する。

(5時間目)(6時間目)課題③

酸素・窒素・二酸化炭素という気体を教え、混合気体である空気についての知識を教える。

空気は、窒素約8割:78%、酸素約2割:21%、二酸化炭素、その他1%の混合気体だと理解して、それぞれの気体の性質を調べる。
・水上置換で①酸素、②窒素、③二酸化炭素の中でろうそくが燃えるか実験する。
・まとめ:混合気体である空気の中の酸素が、ろうそくがもえるために必要だと分かる。 

(7時間目)(8時間目)課題④

ろうそくが燃える前と後の集気びんの中の空気は同じだろうか。

実験
石灰水と気体検知管で確かめる。
まとめ
燃焼により酸素が使われて減り、二酸化炭素が増えた。混合割合に変化が出てきたことがわかる。(酸欠の意味が分かる)

(9時間目)

学習のまとめをする。鉄(スチールウール)を燃やす。

⇒重さの変化も

★この指導計画の特徴は、
①気体にも重さがあることをはじめに実験で理解させる。
②課題①⇒課題②へ疑問をもとに進める。
③酸素は、燃えるのではなく燃やす働きがあることを理解させる。

4.授業の記録

(1時間目)気体の重さ

課題⓪気体には、重さがあるのだろうか
予想
①ある
②ない
③わからない
・意見を出し合い、二酸化炭素の気体をぎゅっとたくさん詰めた缶(A:未使用)と、B:使い切った缶の重さを比べて確かめることにする。    

・予想
手で持った感触から予想する(①Aが重い。②Bが重い。③同じ)・・2名~3名前に出て比べさせる。
・実験
電子天秤ではかる。(未使用と使い切ったもの)
・結果
窒素は、1缶は5Lで6.2gの違い、1Lで1.24gの重さがあった。
酸化炭素は、1缶は5Lで10gの違い、1Lで2gの重さがあった(ほかの気体も調べてみた)
・考察
気体にも重さがあり、気体の種類によって重さは違う
・新たな疑問
空気ってなんだろう?重さがあるはず、空気っていう気体なんだろうか→次の課題へ

計算式では、下記のようになるので、ほぼ正確な数値と思います。
・窒素1Lの重さは、0℃(1気圧)    
1モル→22.4L  →1モルで28g→28÷22.4=1.25g
電子天秤では、1.24g
・二酸化炭素1Lの重さは、0℃(1気圧)
1モル→22.4L  →1モルで44g →44÷22.4=1.96g
電子天秤では、2g

(2時間目)ものの燃え方

課題①:下の図でびんにふたをしたらどうなるだろうか。その理由も考えよう。
予想①⇒討論⇒予想②⇒実験⇒結果⇒考察
予想
ア:燃え続ける。      
イ:ほのおが小さくなり燃え続ける。
ウ:少しして消える。   
エ:すぐ消える。      

【子どものノート】
Aさん
予想:
理由:
ふたをしたら、酸素がなくなって消えてしまうけど、もともとびんの中に酸素があるから、ほんの少しは燃える。
結果:ウ(10から13秒)
考察:
ふたにびんをしたら、炎がだんだん小さくなって、10秒たつと消えました。炎がもえつづけるためには空気が必要です。

Bさん
予想(ウ)
ふたをすることで、空気がなくなるし、すぐには酸素がぬけないから少しは燃えるのではないかと思う。
結果:ウ

・しかし、何回もやると燃え続ける時間は短くなる。2回目は、中の空気を入れ替えるために一度水で満たしてからやる。
・「酸素・空気がなくなって消える」「酸素・空気が使われて少なくなって消える」など各自のノートをもとに班で発表し代表児童8人が発言。詳しい予想を聞いて、自分の予想に書き加える(→予想➁に書く)

・ここでは、空気の成分を学んでいないので、びんの中にあるものは「空気」として扱う。後の課題で酸素がなくなったのか、それとも使われて少なくなったのかが解決する。その時に振り返る。

・班の実験結果を黒板に書く。結果が他の班と大きく異なった時は、実験のやり方を振り返ることを話す。(科学の実験の再現性、授業での学び合い)

・まとめ:燃えるために空気が使われ、それがなくなった時に消えた。ものがもえるためには、空気が必要。(「外から空気が入ってこないから消える」との発言あり)

ふたをしたビンの中では、少しして消える。

(3時間目)(4時間目)ものが燃え続ける条件(プラス1時間の年度も)

課題②:ふたをしたびんの中のろうそくを、より長く燃やし続けるにはどうしたらいいのだろうか。 
 (予想の発言をもとに実験で確かめる。)

【子どもの意見やノート】
課題②に出された意見
1、エアポンプで、外から空気を送りこむ。
2、びんに穴をあける。
3.消えそうになったらふたを少しずらす。
4.下に穴をあけ、ふたもすこしずらす。
5.大きなびんにする。
6.ほそいろうそくにする。
7.びんにスプレーで酸素を入れる。
8.ふたを少しずらす。
9・大きなびんにして、その中で植物を育てる。

話し合いの中で
2・4→びんに穴をあける方法(全員でやる)
5→びんの大きさを変える方法(全員でやる)
1・3・7・8→外から気体を送りこむ方法なので、8をまずやってみる。

〇消えそうになるとふたをずらして、「なんでこんなに?」と思うほど、大喜びで繰り返していました。
6→太さの違うろうそくで確かめ→演示実験
9→学習の終わりに他の天体への「移住計画」のアイデアの話をした

〇実験の前に
・線香の流れで空気の流れを見ることができると理解させる。 
・実験誤差の話をする。(びんのふたの仕方による誤差もある)
・2時間続きか、1時間で2回に分かるれるか、学級によって変える。

実験① びんの大きさを変える
◇結果 小 4秒  中 10秒   大 15秒

〇びんの中の空気が多いほど長く燃え続ける。穴をあけると空気が入っていくから燃え続ける。このことから、空気の量がもえる時間の長さに関係することがわかる。(空気が充分あると燃え続ける)

【実験をした後の子どものノート】
◇考察
びんの大きさを変えると、びんがおおきくなっていくほど、燃え続ける時間が長くなりました。大きいびんは、もともとびんの中にあった空気が多いので、長く燃え続け、小さいびんは、もともとびんの中にあった空気が少ないので、長く燃え続けない。

◇考察
小は7秒、中は13秒、大は17秒と小さいほうからだんだんと秒数が長くなりました。ということは、大きいびんのほうがびんの中の空気が多いので秒数が長くなるのだと思いました。だから、大きいびんだと燃え続けられるということもわかりました。でも、小から中の秒数は6秒なのに、中から大のびんの秒数は4秒なのが、ぎもんに思います。

実験②びんに穴をあけて、外から新鮮な空気を入れる。

【実験をした後の子どものノート】
◇考察
アは、上にも下にもあいていて、空気の通り道が出来ているので常に燃え続けます。あたたかい空気は、上に行くので、新しい空気が入ってきます。イは、ふたをしめているので、空気の通り道ができず、びんが大の時とほとんど同じで17秒で消えました。イのびんの中は、満員電車状態で、新しい空気が入ってきません。つまり、もともと中にあった空気がなくなると消えます。(教師はノートに赤ペンで「?」を書きました。次の課題でこれが修正されるからです)

◇考察
ろうそくを長く燃え続けさせるには、下と上があいていることが必要だとわかった。また、空気が入るところと空気が出るところ、空気の流れが必要なことが分かった。次回も他のやり方で燃え続けることを見つけてみたいと思った。 ◇考察 びんアは空気の通り道があったから燃え続けていたが、びんイはふたがしめつけられているから空気の通り道がないから新鮮な空気が入らなかったから消えた。つまり、ふたがあいていないと空気の通り道がないから消えたということが考えられた。

より長く燃やすための方法を考えて実験する

(5時間目)(6時間目)空気とものの燃え方

課題④空気は、混合気体です。その中の割合は、窒素約8割:78%、酸素約2割:21%、二酸化炭素、その他1%です。この中で、ものを燃やすはたらきをする気体はどれでしょう。

・水上置換で、①酸素、②窒素、③二酸化炭素の中でろうそくが燃えるか実験する。

・器具の取り扱いで安全に実験をすることの話をする。熱したびんは、あついのでやけどしないように、ふたの取り扱い、ぬれぞうきんの用意などに注意させる。

・5時間目・・・窒素の中ですぐに火が消えることに驚く。

・学校にある消火器を持って来て、泡で炎を包み、空気を遮断することで消火することに気付かせる。生活と結びつけた話を大切にしたい。

・気体の集め方は、水上置換などの図を示したプリントを配って正しく理解させる。

・空気中の気体の成分は、この後の人の体の呼吸で振り返って使うので、空気中の気体の割合を書いた用紙をつくり、残しておく。

・まとめ:混合気体である空気中の酸素が、ものが燃えるために必要だと分かる。

【実験をした後の子どものノート】
◇考察
まず、ちっ素にろうそくのほのおを入れてもすぐ消えた。次に酸素にろうそくのほのおを入れたらほのおは青く光って、高温でろうそくまでとかしてしまった。二酸化炭素に入れたらすぐ消えた。だから、二酸化炭素とちっ素はものをもやすはたらきがない。ものをもやすはたらきがあるのは酸素だとわかった。

〇この実験では、二酸化炭素とちっ素はものをもやすはたらきがないことがわかった。それに対して酸素100パーセントで他の気体がないので、前の実験より長い時間もえていた。

3種類の気体の中で燃やす実験の板書です

 空気中の酸素・窒素・二酸化炭素の変化

(7時間目)(8時間目)ものの燃え方と空気の成分の変化

課題⑤:ろうそくが燃える前と後の集気びんの中の空気は同じだろうか。
実験
石灰水と気体検知管で確かめる。
まとめ
燃焼により酸素が使われて減り、二酸化炭素が増えた。混合割合に変化が出てきたことがわかる。(酸欠の意味が分かる)

・気体検知管を使うときの工夫 →酸素は比較的正確に測れるが、二酸化炭素は1~2%になる班も出てきた。ビンの開け閉めのやり方で班によって違いがでるので、500mlのペットボトルに穴をあけて底を切り抜く。穴をセロテープでふさぎ、その中でろうそくを燃やす。どの班もほぼ同じ結果になっていた。火が消えたら、すぐに検知管を差し込み測定する。気体検知管を30秒ほど中に入れておいた。費用の関係で班を2グループに分かれて2種類を分担して実験したこともある。集気びんが石灰で曇ったら、中に水を入れて食酢をたらして1日つけておくときれいになる(酸とアルカリの関係)

酸素・二酸化炭素・窒素の中で燃やした実験のまとめ


【気体検知管をびんの中に入れて、手で取ってを引く。30秒後に取り出したら、酸素は21%→17%。】

燃やす前後の酸素濃度の変化を測定します



【二酸化炭素は、どの班も3~4%になった】

燃える前後の二酸化炭素の濃度の変化を測定します


【子どものノート】
結果 
Aちっ素の中で燃やす ちっ素の中では、ほとんど燃えず、いっしゅんで消えた。
B酸素の中で燃やす 酸素の中では、ろうがとけるほど、はげしく燃え続け、少し音を出していました。
C二酸化炭素の中では、燃え続ける時間がちっ素より短く、いっしゅんで消えました。
考察 
上の結果から、ものを燃やす働きをする気体は酸素だということがわかりました。ちっ素と二酸化炭素はほとんど燃えなくて、プツンと消えてしまいましたが、酸素は少し音を出して、とてもはげしく燃えました。燃えた後のびんの中の気体の割合はどのようになるのか?疑問が出てきました。

考察
酸素の中では、はげしく火が燃えています。おーっと、ろうそくがとけて消えました。なので、酸素は、酸素はものをもやす働きがあります。次は、ちっ素です。火はすぐに消えました。なので、ちっ素さんは、ものを燃やすはたらきがありません。次は二酸化炭素です。あー、すぐに消えてしまいました。ふたをしめる前に消えた。早い。早すぎる! 二酸化炭素はものをもやすはたらきはありませんでした。この結果から、ちっ素と二酸化炭素は、ものをもやすはたらきはなく、酸素はものをもやす働きがありました。

考察 
この実験結果から、ちっ素二酸化炭素にはものをもやす働きはなく、混合気体の中で酸素だけがものを燃やす働きがあることがわかりました。また、この実験からものが燃える条件に酸素が必要だとわかりました。けれど、一つ疑問があります。ロケットは、なぜ酸素がない宇宙でエンジンとなる火が燃えているのだろうか?→次時間に説明

考察 
空気の中でものを燃やす働きがある気体は酸素だということが分かった。家のコンロの上はかんきせんがあるのも、空気をいれかえないといけないからなんだとなっとくした。

(9)学習のまとめ      

・鉄(スチールウール)を燃やす。⇒重さの変化も
・窒素の割合は変わらず、酸素と二酸化炭素の割合が変化したことを、板書の図のようにモデル図で確かめる。

・これによって、課題①の「火が消える時に酸素はどうなったか」の問いがここで分かるので、ノートを見て振り返り、ノートに加筆させる。二酸化炭素が3パーセント増えると火が消えることが分かり、この後の単元「人の体」での呼吸や、環境問題を扱う単元で、この実験結果が活用出来る。

・学校の消火器を持ってきて、泡で消化するのはなぜかと聞いてみました。「もえるものと酸素をくっつけないため」「燃えるためには酸素がいるから、酸素がふれないように」などと、意見が出されました。

・福島の原発事故で、はじめは水をかけたが、その後、窒素を大量に入れて水素爆発を防いだことも紹介しました。

・「宇宙ロケットは、酸素がない宇宙でなぜ飛べるのか」という疑問が、単元の学習の初めに出されたので、「調べてごらん」といったら、図書館で調べてきて発表した子どももいます。みんな納得しました。教師が、すぐ答えないのがいいなあと思いました。

「もしも空気が見えたなら」を図で示します


【子どものノート】
 どの子も、考察を詳しく書いていました。
考察
酸素は、そのものを燃やすのを助ける働きがある。酸素自体がもえるのではない。ちっ素と二酸化炭素はものをもやすはたらきはないが、それを利用して、いろいろなことに活用できる。ものを燃やし終わった後の空気は、全体の量は変わらないが、酸素が減り、二酸化炭素が増え、酸素と二酸化炭素の量だけが変化した。物が燃えるのを防ぐには水をかけるのではなく、酸素を入れない、ということが大切になる。(消火器のしくみや原発事故での窒素挿入などの話を聞いた後で書いた考察です)

5.教材研究

(1)教材の工夫

〇酸素、二酸化炭素、窒素などの気体があり、それぞれに重さがあることを学んでから、混合気体である空気に入ると理解しやすい。物の燃焼は、物と酸素との化合(これは中学)。一つの事実が明らかになったら、次の新しい課題を見つけるような話し合いを大切にする。

〇スチールウールを集気びんの中で燃やす時は、中に少し水を入れる。入れないで燃やすと高温になりびんが割れてしまうこともある。

 〇写真にあるアルミ製のパットの中で燃やすときは、スチールウールをそのまま燃やす場合と、手で引っ張って中に十分空気が入るようにした時でどう違うか比べて観察する(教師の演示)。後者の場合、勢いよく燃えていく。その訳を問い、空気(その中の酸素)に多く触れるほどよく燃えることが分かる。

〇混合と化合の違いに簡単にふれておく。
化合  A+B=C となり、化学反応で違ったものになる。この化学反応の時に熱が出たりする(中学で学ぶ)
混合  A+B=A+Bとなり、混ざったけれど、混ぜる前の二つのものの性質は変わらない。JR構内のハニーズバー
のミックスジュースを例に挙げると、納得した。

〇気体検知管→ペットボトルに穴をあけてその中で実験する。ビニール袋より正確に測れる。
 【ペットボトルでの実験】

酸素・二酸化炭素・窒素の濃度を測定します


【底に穴のあいた集気びんでの実験】
学校にある市販のふたの取っ手は溶けることがあるので、木にアルミ箔を巻いて作ったふたを使った。

ふたは木にアルミホイルを巻いたものを使いました


【スチールウールを燃やす】

酸素の中でスチールウールを燃やします

(実験をするときは集気びんの中に少し水を入れておく)

アルミパットの上で直接燃やすと線香花火のように燃える。

(2)木炭をつくる(乾留実験)木ガスが発生するので屋外で

説明
木は、ほのおを出して燃え、真っ黒になります。 木が酸素と結びついてもえるのです。では、酸素がない状態で熱するとどうなるのでしょうか。試験管内に木(わりばし)を入れ、加熱してみましょう。これを乾留(かんりゅう)と言います。
結果
木を乾留すると木炭、木酢液、木ガスなどになります。空気(酸素)があると、これらのものは燃えてしまい、ほとんどは二酸化炭素と水になってしまいます。

科学クラブ 木炭をつくる【乾留実験】
ねらい
・木は、ほのおを出して燃え、真っ黒になります。 木が酸素と結びついてもえるのです。
・では、酸素がない状態で熱するとどうなるのでしょうか。試験管の中に木(わりばし)を入れ、加熱してみましょう。これを乾留(かんりゅう)と言います。

1、用意するもの
・試験管、試験管ばさみ、アルコールランプ、マッチ、燃えさし入れ(水を入れて)、パット、
・わりばし(1人で1本)、アルミホイル(わりばしをつつむため)、ぬれぞうきん、

2、やり方(先生が、一度やるのでよく見ておきます。)
①わりばしを5センチぐらいに切って、アルミ箔できっちりつつむ(2まわりぐらい)。かた方は閉じて、かた方は空けてお
く(そちらからガスが出る)。

②試験管の中にホイルでまいたわりばしを入れる(2本)。あいている方を上にする。アルコールランプで熱する。試験
管に顔を近づけないこと。

③試験管からけむりが出てきたらマッチに火をつけて近づけてみる。
アルコールが半分ぐらいになったら先生に言ってアルコールをほじゅうしてもらいます。熱いので冷やしてから作業します。

④けむりが出なくなったら火を止めて、試験管をパットに置く(さわるとやけどします)。けむりの色をよく見ておきます。

⑤試験管を試験管ばさみでもったまま、口を下に向けてわりばしを取り出す。冷えてからラップをはずす。

⑥これを繰り返す。

⑦この木炭は燃えます。また、鉛筆の様に字を書くこともできます。おみやげにしましょう。

注意
①試験管に顔を近づけない。
②火を止めた後、試験管は熱いので絶対にさわらないこと。パットの上に置きます
以上

〇結果は、最後に書かせる。

「木を乾留すると木炭、木酢液、木ガスなどになります。空気(酸素)があると、これらのものはもえてしまい、ほとんどは二酸化炭素と水になってしまいます。」

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