2018-01-28

電流がつくる磁力

【5年 電流がつくる磁力】

ポイント
セット教材を持たせてやると便利ですが、シンプルな電磁石をつくったり、回路を班でつくったりすると理解が深まります。学習の後半に、一人一人の理解の確認の意味も含めて「サッカーロボ」セット教材も使いました。事前に学校の教材をよく準備しておくことが、特に大切な単元です。

1.ねらい

電磁石の導線に電流を流し、電磁石の強さの変化を調べ、電流の働きについて次の2点を理解させる。
① 鉄しんにコイルを巻き、電流が流れている時だけ電磁石になる。電流の流れているコイルは、鉄しんを磁化する働きがあり、電流の流れを変えると、電磁石の流れが変わる。
② 電磁石の強さは、電流の量や導線の巻き数によって変わる。

2.学習指導計画

(1)教科書を見ると

①電磁石が使われているものをもとに、電磁石の性質を話し合う。
②③電磁石をつくる。電磁石ができたか確かめる。(電磁石の性質調べ)
④乾電池の向きを変えると、電磁石の極(NとS)が変わるか調べる。
⑤電磁石が鉄を引き付ける力を強くするにはどうするか予想する。
⑥電流の大きさを変えた時の電磁石の強さを調べる。
⑦コイルの巻き数を変えた時の電磁石の強さを調べる。
⑧実験結果から電磁石の強さについてまとめる。(電流を大きくしたりコイルの巻き数を多くしたりすると、鉄を引き付ける力が強くなる)
⑨⑩「電磁石を使ったおもちゃ」をつくってみよう
⑪「たしかめよう」「学んだことを生かそう」

(2)学習指導計画(11時間)

1.磁石の性質(3年の学習の復習)
課題① 磁石とはなんですか(磁石の性質) 
2.電磁石をつくる(2と3の2時間続きで実施→2が1.5時間、3が0.5時間扱い)
課題② 電池・鉄のくぎ・導線を使って、電流が流れる時だけ磁石になる電磁石をつくろう。
3.電磁石の極  
課題③ 電磁石の極を変えるにはどうしたらよいか。 
4.電磁石の力を強くする
課題④ 電磁石の力を強くするにはどうしたらいいか(学習課題作り)
5.配線セットをつくる(本校ではセット教材を各自が購入「サッカーロボセット」)
6.電池の数と(電池の数―直列つなぎ)と電磁石の強さ
課題⑤ 電池の数を増やして、電磁石の強さの変化を調べよう
・簡易検流計・電流計の使い方  
7.コイルの巻き数と電磁石の強さ
課題⑥ コイルの巻き数を増やして、電磁石の強さの変化を調べよう     
8.9 電磁石を使ったものを作ってゲームをしよう
課題⑦ 電磁石を使ったサッカーロボ(またはモーターカー)を作って、ゲームをしよう。
10 くらしと電磁石
・ビデオ(NHKオンデマンド活用)で学習を振りかえる
11.テスト サッカーロボでゲームをする

3.授業の記録

事前アンケート
①磁石について知っていることを書きましょう。
②家にある電気製品を書きましょう。


(1)磁石の性質(3年の学習の復習)

課題① 磁石とはなんですか(磁石の性質)→子どもの意見を出し合い、下記のようにまとめた。
・鉄を引きつける力がある。
・両はじにS極とN極があり、同じ極同士はしりぞけ合い、違う極同士は引きつけ合う
→(地球儀を示して、北極はS極だと気付かせる。)
・磁力の働く範囲がある。(磁界)  
→永久磁石をアルミニウム板(給食で以前使っていたアルミトレー)の裏にはりつけ、砂鉄を表面にまいて、磁力線の様子を観察する。
・家庭にある電磁石を使ったものを探してみよう。
【磁石の性質 1時間目の板書①】

磁石とはなんですか(磁石の性質)→子どもの意見を出し合い、下記のようにまとめた。
磁石とはなんですか(磁石の性質)→子どもの意見を出し合い、下記のようにまとめた。









上の板書は、前年度のものです。(2時間続きの1時間目)
【鉄粉で見る磁力の流れ】
以前使っていた給食のお盆の裏に棒磁石をはりつけ、反対側に鉄粉を散らして、手でトントンと軽くたたくと、こう見えます
北極はS極、だから方位磁針のN極が指し示す。北=北極。だから北極はS極。


















(以前使っていた給食のお盆の裏に棒磁石をはりつけ、反対側に鉄粉を散らして、手でトントンと軽くたたくと、上の写真のように見えます) 【地球儀で見たS極とN極】
北極はS極、だから方位磁針のN極が指し示す。北=北極。だから北極はS極。そう、地球は大きな磁石。なぜでしょう? 地球が何でできているか学校図書館の本を見せて説明したら「なるほど」と納得しました。

(2).電磁石をつくる

(2と3の2時間続きで実施→2が1.5時間、3が0.5時間扱い)
課題② 電池・鉄のくぎ・導線を使って、電流が流れる時だけ磁石になる電磁石をつくろう。
用意するもの:導線(エナメル線・ビニル線)・乾電池・鉄のくぎ・ストロー・紙やすり
班ごとに作る
知識:鉄に導線(電気を通すもの)を巻いて、電流を流した時だけ磁石になる。これを電磁石という。(教師が説明)
【電磁石をつくろう 2時間目の板書①】

電池・鉄のくぎ・導線を使って、電流が流れる時だけ磁石になる電磁石をつくろう



電池・鉄のくぎ・導線を使って、電流が流れる時だけ磁石になる電磁石をつくろう






【電磁石をつくろう 2時間目の板書②】

(3).電磁石の極  

課題③ 電磁石の極を変えるにはどうしたらよいか。
・ストローにコイルをまき、中にくぎを入れる作業は各自がやります。班ごとに、それを使って回路をつくり、電磁石になっているか確かめます。方位磁針を置いて、極を確かめてから、極を変える実験を行います。
電磁石の極を変えるにはどうしたらよいか
【班で行う実験道具】
班で行う実験道具














【シンプルな電磁石をつくりました:回路】
シンプルな電磁石をつくりました:回路














【方位磁針で極を確かめる】
方位磁針で極を確かめる














【個人用に購入した実験用具で50回巻まきのコイルをつくる】
個人用に購入した実験用具で50回巻まきのコイルをつくる












(4).電磁石の力を強くするには

課題④ 電磁石の力を強くするにはどうしたらいいか(学習課題作り)
A:電池の数をふやす(直列つなぎ)
B:コイルのまき数を増やす
C:その他(導線を太くする、乾電池を並列つなぎにしたら? 
A+Bなど
調べ方・・・・引き付ける釘の数で調べる、電流計で電流の量をはかる
電磁石の力を強くするにはどうしたらいいか(学習課題作り)


電磁石の力を強くするにはどうしたらいいか(学習課題作り)













(5).配線セットをつくる(本校ではセット教材を各自が購入「サッカーロボセット」)

配線セットをつくる(本校ではセット教材を各自が購入「サッカーロボセット」)












(6).電池の数(電池の数―直列つなぎ)と電磁石の強さ

課題⑤ 電池の数を増やして、電磁石の強さの変化を調べよう
・検流計の使い方
・直列つなぎで電池の数をふやすと、電流がたくさん流れ電磁石の力が強くなることが分かる。
電池の数を増やして、電磁石の強さの変化を調べよう



電池の数を増やして、電磁石の強さの変化を調べよう












(7).コイルの巻き数と電磁石の強さ

課題⑥ コイルの巻き数を増やして、電磁石の強さの変化を調べよう
・(電流の量が同じでも)、コイルを多く巻くと強さが変わることが分かる。
コイルの巻き数を増やして、電磁石の強さの変化を調べよう


コイルの巻き数を増やして、電磁石の強さの変化を調べよう













(8)(9).電磁石を使ったものを作ってゲームをする

課題⑦ 電磁石を使ったサッカーロボ(またはモーターカー)を作って、ゲームをしよう。
電磁石を使ったサッカーロボ(またはモーターカー)を作って、ゲームをしよう。


電磁石を使ったサッカーロボ(またはモーターカー)を作って、ゲームをしよう。











(10).くらしと電磁石

・ビデオ(NHKオンデマンド活用)で学習を振りかえる

(11).テスト サッカーロボでゲームをする

 

4.教材研究

(1)2時間目の「電磁石をつくろう」学習指導案(略案)

本時の目標 鉄に導線(電気を通すもの)を巻いて電流を流すと、流した時だけ磁石になるものが電磁石であるということを理解し、電磁石させる。
本時の展開(「電磁石をつくろう(2時間扱いの前半)  以下略

〇参考:教材研究のために使ったHPは、電気学会HP、関西電力HP、中部電力HP、エコロガHPわかりやすい資料がたくさんありました。 

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