2018-01-28

植物の花と結実

【5年 植物の実や種子のでき方】

NEW 
アサガオの受粉と受粉の仕組みのショート動画(3分程度)を2本つくりました。
低学年向けの毎週の配信「しぜんと科学のおたより」用につくったものです。
参考にご覧ください。
◆「アサガオは すごい」

https://youtu.be/tLCAZ-a0vwU 

◆「くだものに おへそ?」

https://youtu.be/4IjVWjLfFec 

ポイント
「『花はなぜさくの?』と聞かれたらなんと答えますか」・・この問いからスタートします。
観察と話し合いでアサガオがどうやって受粉するのかを知ると、「すごい!」って驚きます。
そして、「ほかの花はどうやって受粉するんだろう」と疑問がふくらみます。そこで「花はなぜさくの」というミニ絵本づくりをします。

まずは、Kさんのつくったミニ絵本をご覧ください。受粉の方法と、受粉する方法に合わせて花がさくことを調べて絵本にしました。(保護者とKさんの同意を得て掲載します)

次のNさんの作品は、ストーリーを工夫して書かれています。この学年の子どもたちは、このような書き方が目立ちました。自分で楽しんで、そして納得しながら書いています。この作品は、授業の流れのところに掲載しています。











1.ねらい


①植物は、子孫を残すために花を咲かせること、そのために受粉しやすいように様々な植物花の咲き方があることがわかる。
②植物の発芽から結実までの過程や、メダカと人の誕生の学習と関連させて、植物が種族維持のための様々な工夫について進んで調べ、絵本にまとめることができる。
(留意点)
「自分の力で分かった」という実感を体験させたい。まず、学習に入る前に単元についての子どもの認識(花の役割)を調べ、学習を通して科学的認識が育ったことを確かめる。

2.学習指導計画

(1)教科書を見ると  

1次 花のつくり(4時間)
①問:アサガオの花は咲いた後にどのような順序で変化するのだろうか
②問:花はどのようなつくりになっているのか→がく・はなびら・おしべ・めしべの観察
③問:花粉はいつおしべからめしべにつくのか→咲く前後のおしべ・めしべの比較観察
④問:花粉はどんなすがたをしているのか→花粉を顕微鏡で観察

2次 受粉の役割(2時間)
⑤問:受粉すると実ができるのだろうか
→実験の計画をたててつぼみの雄蕊を取って開花後に比較観察(3種)
⑥受粉するとめしべのもとがふくらみ実ができることが分かる。花粉の運ばれ方とその特徴に気付く

3次 生命のつながり(2時間)
⑦問:生物はどのように生命をつなげていくのだろうか→インゲン・アサガオ等の植物とメダカ・人などの動物を比べて生命の連続性に気づき生命尊重の態度を育てる
⑧まとめ 「たしかめよう」・「学んだことを生かそう」で学習のまとめを行う

(2)学習指導計画(10時間)(市教研の研究授業で実施)

◆1次 花のつくり(4時間)

①アンケート「花はなぜ咲くのか?」
課題①アサガオの体は何で出来ているか 
自分の考え⇒話し合い(根・茎・葉・花⇒実(種子)、
②花の仕組み
課題②花の仕組みを調べよう ⇒がく・はなびら・おしべ・めしべの観察
③花から実(種子)へ(アサガオ)
課題③花がさいた時とつぼみの時とくらべて、おしべとめしべの様子はどう変わったか。花のどこが実(種子)になるのか。
→つぼみ、花、咲き終わったもの、実が大きくなったものを比べて、めしべのもと(子房)が成長して実になることを観察して確かめる。
④花粉
課題④アサガオの花粉や花壇の植物の花粉を顕微鏡で観察しよう。観察結果をもとに植物はどうやって受粉するのか考える。

◆2次 受粉(2時間)

⑤アサガオの受粉
課題⑤受粉しないと実が出来ないのだろうか。
→観察方法を考え、・おしべを取り去ったつぼみに袋をかけて開花させることが分かる。教師のットしたものを比較観察(1週間)して、受粉しないと実ができないことがわかる。
⑥命のバトン
・メダカや人の誕生と関連させて、生物(動物も植物も)の命をつなげる営みが分かる

 

◆3次 なぜ花は咲くのか(種の保存)(4時間)

⑦⑧⑨絵本作り
・受粉の方法と、受粉する方法に合わせて花が咲くことを調べて絵本にまとめる。
→教科書・学校図書館の本・教師の提示資料をもとに絵本をつくる。(自家受粉、風媒花、虫媒花、その他)。最終頁には、事前アンケート「花はなぜ咲くのか」の答えを学習してわかったことをもとに書く)
・学校図書館の司書と連携し、学校図書館と市立図書館から児童数×2の本を集める
⑩友だちの絵本の作品を読み合う 

3.授業の流れ

〈1次 花のつくり(4時間)〉

(1)アンケート「花はなぜ咲くのか?」(学習課題をつくる)

◆アンケートから、「花はなぜ咲くのか」を知るために花のつくりや役割を調べるという学習のめあてをもつ。(アンケートの内容を出し合い、板書で意見を仲間分けする)
◆課題①:アサガオの体は何で出来ていますか
自分の考え⇒話し合い
・根・茎・葉・花⇒実(種子)の4つに分ける
・花から実になることに気付く(4年のツルレイシの学習を想起)
(留意点)
・アンケートを示し、疑問の解決のために自分たちで調べようと意欲づけを行う。根・茎・葉の役割は6年生で学習することを知らせる.
「花はなぜ咲くのか」を知るために花のつくりや役割を調べるという学習の

(2)花の仕組み

課題②花の仕組みを調べよう ⇒がく・はなびら・おしべ・めしべの観察
⇒アサガオの花(各自)の観察
花の仕組みを調べよう ⇒がく・はなびら・おしべ・めしべの観察
・がく・花びら・おしべ5本(先はやく)・めしべ1本(先は柱頭)がある(ノートに絵で書く)。
(留意点)
・アサガオの花のつくりを丁寧に観察するため分解して詳しく見るように話す。

【子どものノート】
・おしべとめしべがあり、下のほうからはえている。花びらは手にべとべとくっつく。みずみずしい。がくは5枚あり、おしべは5本、めしべは1本あった。めしべは、まるっぽくておしべは細長い形。めしべをかこうようになっている。

(評価)
・○植物の花や実の様子に興味・関心をもち、それらを調べようとしている。(発言・ノート)

(3)花から実(種子)へ

課題③花がさいた時とつぼみの時とくらべて、おしべとめしべの様子はどう変わったか。花のどこが実(種子)になるのか。
→つぼみ、花、咲き終わったもの、実が大きくなったものを比べて、めしべのもと(子房)が成長して実になることを観察して確かめる。
・つぼみ、花、咲き終わったもの、実が大きくなったものを比べて、めしべのもと(子房)が成長して実になることを観察して確かめる。教科書に育つ順序を書き込む。(オシロイバナについても実物で確かめる。)
花がさいた時とつぼみの時とくらべて、おしべとめしべの様子はどう変わったか。花のど

◆おしべの花粉がめしべの先につくことを受粉ということが分かる。 
・つぼみと花のおしべとめしべの様子を観察して違いに気づき、その理由を考える。(虫めがね)

(子どもの発言)
・つぼみ:おしべよりめしべが短い。
・花:おしべが伸びてめしべを追い越した。めしべの先に粉がついている。
・追い越したとき粉がつくのではないか。
・花が咲いたら上からぱらぱら花粉をかける。
【左から ①つぼみ ②花】
アサガオの ①つぼみ ②花 の画像

【①つぼみ ②花 ③花がしおれた ④実】
アサガオの ①つぼみ ②花 ③花がしおれた ④実 の画像です

◆受粉について教える。
(評価)結実について予想したことや観察したことを表現している。(ノート)

【子どものノート】
◇アサガオのことだけで、とてもたくさん知りました。一夜でめしべをおいこしたり、おいこすことで、自花受粉したり。もしそれがうまくいかなくてもちゃんとたいさくほうがあったり、アサガオにとてもおどろかされました。でもなぜ、つぼみの中のおしべはめしべを夜においこすのでしょうか? あとなぜ花の役割はつぼみの時点でおわりのはずなのに、赤や青、紫などの色がついているのか、なぜおしべとめしべの形がちがうのでしょうか。
◇受粉したらそのまま種子ができるとおもっていたけれど、まさか花粉管を通り苦労しているんだなと思いました。
◇アサガオはふつうの受粉だと思っていたけれど、まさか花の中で受粉しているなんて思いませんでした。1年生のころ育てたアサガオは、朝、学校にいったらもうしぼんでいたけれど、つぼみの中で受粉していると知ってびっくりしました。
◇めしべは1本、おしべは5本ある。おしべはめしべを夜の間においこして、めしべとおしべがあたるから自分で受粉する。アサガオは、種がコンクリートにいったりするから、子孫を残せるように多くの種子をつくる。
◇つぼみがおしべとめしべの受粉にかかせないことがわかった。おしべとめしべが成長してつぼみの中におさまりきれないから花が開くのではないかと考えた。他の自家受粉する花も調べたい。また、風や虫によって受粉する花も調べたい。

(4)花粉

課題④アサガオの花粉や花壇の植物の花粉を顕微鏡で観察しよう。観察結果をもとに植物はどうやって受粉するのか考える。
・予想を確かめる方法を考える→「顕微鏡で観察しよう」
・顕微鏡で観察して、花が咲く時に受粉することを確かめる。
④植物の花粉を観察して、どうやって受粉するか考える。
課題④アサガオの花粉や花壇の植物の花粉を顕微鏡で観察しよう。
・観察結果をもとに植物はどうやって受粉するのか考える。
⇒虫に運んでもらうのではないかなど予想する。
・おしべの花粉がめしべの先につくことを受粉ということを教える。
評価
 ・顕微鏡を適切に操作して花粉を観察して記録している。(観察・ノート)
・めしべとおしべの変化と理由について自分の考えを表現している。(発言・ノート)
アサガオの花粉や花壇の植物の花粉を顕微鏡で観察しよう。観察結果をもとに植物はどう

(5)アサガオの受粉

課題⑤受粉しないと実が出来ないのだろうか。
→観察方法を考え、・おしべを取り去ったつぼみに袋をかけて開花させることが分かる。教師の セットしたものを比較観察(1週間)して、受粉しないと実ができないことがわかる。
・おしべを取り去ったつぼみに袋をかけて開花させて、
①受粉させる(人の手で受粉させる)
②受粉させない(袋をかけたまま) 
この2種類を比較して、受粉しないと実ができないことがわかる。
1週間後の様子(シャーレに入れてグループで観察する)
【花がしおれた直後 実が出来始める】
アサガオ 花がしおれた直後 実が出来始める 画像

アサガオの花粉の観察② 板書
・花粉がつかないと実ができないことがわかる。
・「メダカの誕生」の学習を思い出させ、関連させて考えさせる。
・「条件制御の能力の育成」のところだが、2時間→1時間でビデオも使い効率的に簡潔に指導する。

評価
・受粉の有無という条件を関係付けて考え、表現している。(ノート)
・花にはおしべやめしべなどがあり,花粉がめしべの先に付くとめしべのもと(子房)が実になり,実の中に種子ができることを理解している。(発言・ノート)

(6)命のバトン

・メダカや人の誕生と関連させて、生物(動物も植物も)の命をつなげる営みが分かる
メダカや人の誕生と関連させて、生物(動物も植物も)の命をつなげる営みが分かる

メダカや人の誕生と関連させて、生物(動物も植物も)の命をつなげる営みが分かる
・植物は、たくさんの種を蒔いて発芽し、受粉して実(種)をつくり、仲間をふやす。
・メダカや人の誕生の学習を関連させて考える。
・1学期の人とメダカの学習でわかったこともノートをもとに振り返り発表する。
・話し合いをもとにノートにまとめる。

(7)~(9)絵本作り

・受粉の方法と、受粉する方法に合わせて花が咲くことを調べて絵本にまとめる。
→教科書・学校図書館の本・教師の提示資料をもとに絵本をつくる。(自家受粉、風媒花、虫 媒花、その他)。最終頁には、事前アンケート「花はなぜ咲くのか」の答えを学習してわかっ たことをもとに書く)

・学校図書館の司書と連携し、学校図書館と市立図書館から児童数×2の本を集める
教科書・学校図書館の本・教師の提示資料をもとに絵本をつくる。

◆受粉の方法と、受粉する方法に合わせて花が咲くことを調べて絵本にまとめる。
風媒花(とももろこし・スギ)
虫媒花(図鑑で各自)  その他(水・鳥)
自家受粉(スミレ・エンドウ、オシロイバナ←学校園)
★絵本作りについては、実物見本を載せて、次の本にわたしが寄稿しています。
「楽しい読書活動」(学事出版)
「授業で使える理科の本」追補(少年写真新聞社)
 
これは、Nさんの作品です。。(保護者とNさんの同意の上に掲載します)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

(10)友だちの絵本の作品を読み合う 

・ワークシート「自分の絵本にない友だちの作品のよさを見つけよう」の活用。
 

4.教材について

(1)小学校と中学校の教科書の配列(つながり)を見る

〇小学校

3年 「昆虫と植物」
4年「季節と生物」・・・植物の成長と季節との関係
5年 植物:「植物の発芽」⇒「植物の成長」⇒
「植物の花のつくりと実や種子」(受粉と結実)  
動物:「メダカのたんじょう」「人のたんじょう」
6年 植物:成長と日光や水とのかかわり   
動物:「人の体」、 学年末 「生物と地球環境」
◆ 小学校では、植物や動物の自らの生命維持と種族維持のための体のつくりやその営みを観 察や実験を通して実感を伴って理解させる。

〇中学校 

(本校が進学する中学1年での「植物のからだのつくりとはたらき」の学習・・・研究授業より
①オシロイバナの葯と花粉の観察、②葉でつくられたデンプンと種子のデンプンの違 い。花については、受粉(花粉がめしべの柱頭につく)と、受粉後に胚珠が種子に、子房が果 実になることを学習する。3年で生物の成長とふえ方の単元で、受粉とそれに続く受精を詳し
く学習する。また、自然界のつながりの単元で、生産者、消費者、分解者のうちの生産者とし ての植物の役割を学習する。 
2年:「生物と細胞」   
3年:「生物の成長と殖え方」、「遺伝の規則性と遺伝子」

 

〇花のつくりと実や種子

アブラナやナズナの観察をすると、1株でつぼみ・花・実(種子)が分かり、花の役割も理解しやすい。花のつくりと受粉を学習した後、多くの種子をつくって仲間を増やすためにどのように発芽するのか、その条件は何かを学習した方が、理解しやすいと考える。
しかし、教科書では、2学期にこの単元がある。「変化の要因と変化させない要因を区別しながら、観察実験などを計画的に行っていく条件制御の能力の育成」という学習指導要領の文言が元にある。この単元では、「花にはめしべやおしべがあり、花粉がめしべの先につくとめしべのもとが実になり、実の中に種子が出来ること」(教科書指導書)を中心に学習して、条件制御能力の育成の観察は、簡潔に扱う。実際、専科として「条件制御」のためつぼみのおしべを取り去ったり花粉をつけたり袋をかけたりすることを3学級の子どもに1週間かけてやることは時間割上も天候上も難しいのが実態で、映像資料(ビデオ等)の方が分かりやすい。
・アサガオで基本的なことを押さえた上で、他の植物を適宜取り上げる。

 

(2)アサガオの受粉について

この単元では、アサガオを教材にして観察や実験を通して、植物では花粉がめしべの先につく と結実することを理解させる。教科書には子房という言葉は出ていないが、動物では「子宮」と い言葉が教科書にあり1学期に学習したのだから、子房という言葉も教える。その方が子どもに とって理解しやすい。

指導の順序では、まず咲いたアサガオの花がどのように変わっていくか順番を考え、花が変化 して実や種子になることを理解させる。そして、アサガオの花のつくりを調べることにより、お しべやめしべ、花粉の存在に気づかせる。 
次に、おしべには花粉の入っている袋があることや、めしべの先がねばねばしていること、 開 いていない花のめしべには花粉がついていないことなどから、花粉と結実の関係を考えさせる。
そして、植物の発芽から結実までの過程や、メダカと人の誕生の学習と関連させて、生命の連 続性(種族維持)のために花が咲くことを調べ学習(絵本づくり)を通してイメージ豊かに楽し い学習で理解させる。アサガオのつぼみは、咲く前の夜に急に成長する。めしべも伸びるが、お しべの方が大きく伸びて、つぼみの中でめしべを追い越してしまう。その時に、こすれるように して、おしべでつくられた花粉(葯の中)が、めしべの頭(柱頭)につく。めしべについた花粉 は、めしべの管の中に入っていき根本まで届くと、そこで種子を作り始める。アサガオは同じ花 の花粉で受粉する。これを観察を通して理解させ、次に受粉するためにどんな方法があるか調べ 学習を「絵本づくり」として行う。これを通して、種族を維持するために花が咲くことを理解さ せる。

【教科書の写真を拡大して電子黒板見て話し合い】
つぼみの中のめしべ
つぼみの中のめしべ

開花後のめしべ(花粉がついている)
開花後のめしべ(花粉がついている)

つぼみの中のおしべ
つぼみの中のおしべ

開花後のおしべ
開花後のおしべ

(3)学習方法について(市教研理科部会での研究授業で)

主体的な問題解決学習のあり方について、すべて児童に任せることが、「主体的に」問題を解決することではない。適切な課題を設定し課題意識をもって学習させ、話し合い・ノートに書く・
絵本づくりなどの多彩な言語活動を取り入れる。すすんで自然にはたらきかける、問題意識をもたせる、何のための実験なのか・実験でわかることは何かを考える力を大切にして、授業の工夫 や指導計画を発達段階に合わせて考えていく。そこで、
ア、「主体的に問題を解決する子どもの育成」のために、「花はなぜ咲くのか?」という問いか けを行い、
・受粉の様子やその方法を観察や実験を通して実感を伴って理解(基礎的事実を確実に理解)
・観察したことと1学期に学習したメダカや人の誕生の学習内容を関連させ、命をつなげる営み を理解させる。そして、生物の一員である人間が地球環境を守りどう生きていくか考える力を育 てる。
イ.年間を通して、次のような流れで授業を行う。実験単元では基本的に毎時間この形を取るが、
本単元のように観察中心の単元では、学習のまとめの段階で考察を各自のノートに丁寧にまとめ させる。
課題への自分の意見を書く⇒話し合いで深める(ノートに書き足す)
⇒実験や観察⇒結果⇒考察
丁寧で継続的なノート指導で指導の徹底を図る。(月毎のノート点検・評価とノートコンクー ル等)
ウ.アサガオで学習したことをもとに、絵本づくり「花はなぜさくの?」「どうやってなかまをふ やすの?」に取り組む。図書館司書と連携し関連図書を用意する。また、学習のための資料集を 作成する。(8ページ、写真はデジカメで撮影し貸出用に各3枚ずつ。市立図書館からも30冊 取り寄せ済み)
絵本づくりでの、「花はなぜさくの?」という問いについて、各自の作った絵本の最終ページに 「花はなぜさくの?」というアンケートの問いへの自分の考えを書かせる。絵本づくりにあたっ てはブックトークも行うが「花のしくみと昆虫」(さえら書房)の一節なども読み聞かせ、種族 維持について考えさせる。
エ.学習課題は、児童の実態と学習指導計画に沿って順序を考えて、教師が提示する。
◇全員がアサガオを手に持って観察できるように、理科学年園を整備し観察対象を充分用意する。 学習時期に合わせた種まき、元肥・追肥、除草、水やり、つるの誘引等花壇の整備。(毎日10 0の花が咲く)

 

(4)子どもの認識(「花はなぜさくのか?」アンケート結果)

植物は実(種)をつけて子孫を残す(種の保存)ために花を咲かせる。花はそのための植物の 器官である。そこで、児童は花をどのようにとらえているのか本単元の学習に入る前に調べてみ た。アンケートによって児童の実態に即した指導計画をたて、学習後に児童の認識がどう高まっ たかを評価できると考えたからである。

設問1 ①どんな花が咲いていたのか、自分で見たことのある花を書いてください。(5分)
②友だちの発表を聞いて、「それは見たことがある」と思い出したら、その名前を赤字で書いてく ださい。
考察:設問3で、「仲間をふやすため」など種の保存に関わる回答をした児童・・平均20種類の花の名前を回
 「わからない」や正解ではない回答をした児童 ・・・・・・・平均15種類の花の名前を 回答。本校の学区で20種類近くの花に接しているという生活経験があることが分かった。

設問2 見たことのある花の中で好きな花の絵を2つ書いて下さい(横から見たり上から見たりして)。
考察:「花の絵=花びら」と捉えている。

設問3 下級生に、「花はなぜでさくの?」と聞かれたら、なんと答えますか。ますか。
考察:「きれいだから」の様に花を見る人の立場や、擬人化して書いた児童が目立つ。1学期に学習したメダカや人の誕生の単元と関連させて、繁殖器官である花の役割や受粉の様子を、課
題意識をもって正確に観察することが大切である。それによって、児童の自然認識が高まる と予想される。そこにこの単元の教材としての価値がある。「なぜ花をさかせるのか」を学習 の最後にもう一度書かせて評価する。
設問3の答(29名のある学級では)
A:わからない 5人
・わかりません・調べてね)・図かんで調べてね
B:様々な答え 17人
・虫にみつをあげるため。
・太陽をあびるため。
・空気と適温と水があるから。
・種をうえて水をやるとさく。
・人が見てきれいだから。
・生きるためにさいている。・成長するから。
・命がなくなるまできれいなところを見せたいから。
C:単元の学習内容に関連した答え 6人
・虫が来て花粉を運んでもらうため
・子どもを残して仲間をふやすためだよ。おしべの花粉というのがめしべっていうのについて、 そうすると子どもができるんだよ。
・自分の子孫をのこしたいから。それをするのに必要なのが花粉といって、それを虫に運んでも らうからだよ。
・お花がさかないと実ができない。だからさくのだよ。
・花がさいてかれると、種がとび色々なところにできる。
・種をとばして子どもをつくるとき、花をひらいて種をとばしたり落としたりするため。

(5)3時間目のアサガオの受粉の指導案 

本時のねらい  
①おしべの花粉がめしべにつくと受粉することがわかる。
②つぼみと花のおしべとめしべのつき方を観察して、違いに気づき、その理由を考える (以下略)


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