2018-01-28

流れる水のはたらき

【5年 流れる水のはたらき】

ポイント

「学校の近くの川に行って観察してみよう」と言われてもできる学校はほとんどありませんね。そこで、教室でできることを、学校にある教材や学校図書館の本で工夫してみました。牛乳びんに小石を入れてシャカシャカって振ってみてください。上流の石が流れの中でどう変わるのかやってみてびっくりです。授業の後半は「川」(加古里子)さんの絵本を使って楽しく学びます。

1.ねらい

① 流れる水には,侵食,運搬,堆積の働きがあることがわかる。
② 川の上流と下流の石の大きさや形の違いを,水の流れる速さや水量と関係付け,その関係を言葉で表現することができる。

2.学習指導計画

(1)教科書を見ると

1次 流れる水のはたらき
①増水の前後の川の様子を話し合う(学習課題)写真等
②③流水実験で調べる(侵食,運搬,堆積)―外で実験
④実験結果のまとめ―記録用紙
⑤「やってみよう」雨水の流れを調べる―外で実験
⑥⑦⑧川での実験と観察 川の外側・内側の速さ・石の大きさ

2次 上流と下流の石
⑨上流の石と下流の石(大きさ・丸み)

3次 流れる水と変化する土地
⑩侵食・運搬・堆積で土地が変化する

4次 川とわたしたちの生活
⑪⑫洪水の時の様子や備える工夫
上流と下流の石の大きさや形の違い―教科書の図
(実際の川で調べる(出来ない!)
⑬「たしかめよう」・「やってみよう」

(2)学習指導計画

1次 川の流れのはたらき(侵食・運搬・堆積)と変化する土地
①② 流れる川のはたらきと変化する土地・・・地形図を掲示 白地図(A4)
課題①日本の川のとくちょうを調べよう
日本地図から日本の川の特徴を読み取り、白地図に書きこんでまとめる。
・日本列島は、中央に山脈が連なっている
・高い山脈→日本海・太平洋へ流れ込む
・川は短く急流


③④流れる水の働きを「川の働き」模型から読み取り、侵食・運搬・堆積作用をノートにまとめる。
・・・「川の働き」模型(本校の教材)5つ 教科書 
課題②時間の順序にそって模型を並べかえ、川のはたらきで土地がどう変わるか調べよう。
・5つの模型を順番に並べる
・侵食・運搬・堆積を図と文でノートにまとめる
図A 

外 速い   がけ 侵食(削る)   川の流れの変化

内 遅い   川原 堆積(積もる) 地形の変化

図B 侵食・運搬・堆積を、1つの図でまとめる


⑤川の石  実験    ・・・上流の石(砕いたもの)泥岩 牛乳ビン9本
課題③上流と下流の石を比べて、流れる水が石をどう変化させるか調べよう
・上流の石と下流の石の違いを実験で確かめる。
・角張った小石を牛乳瓶に入れて500回振る(班活動) 


⑥ふりかえり 教科書に沿って  ・・・上流・中流・下流の石 パソコン
 NHKビデオの活用
2次 川の働きと石・川と生活

⑦⑧⑨絵本「川」(加古里子)の拡大コピー(巻物)をもとに、川のはたらきを自分で解説文を書く。
・絵本の台紙作成
・色塗り…川は青、河原は黄色で塗る。
・板書の絵本の読み取り(話し合いで)
・吹き出し(・読み取ったことを班ごとに)
・各自作業

3次 まとめ
⑩NHKビデオ活用でまとめ
・土地を削る川
・曲がった川での流れの速さ
・水の流れる速さと石
・川の働きでできた地形
⑪テスト  友だちの絵本を読みあう 

3. 授業の流れ

(1)(2)流れる川のはたらき

課題①日本の川のとくちょうを調べよう
〇日本地図から日本の川の特徴を読み取り、白地図に書きこんでまとめる。
・日本列島は、中央に山脈が連なっている
・高い山脈→日本海・太平洋へ流れ込む
・川は短く急流
日本地図から日本の川の特徴を読み取り、白地図に書きこんでまとめる。

(3)(4)流れる水の働きを「川の働き」模型から読み取り、侵食・運搬・堆積作用をノートにまとめる。

課題②時間の順序にそって模型を並べかえ、川のはたらきで土地がどう変わるか調べよう。
(川の流れで土地はどう変化するのだろうか)
・5つの模型を順番に並べる
・侵食・運搬・堆積を図と文でノートにまとめる

図A 

外 速い   がけ 侵食(削る)  川の流れの変化

内 遅い   川原 堆積(積もる) 地形の変化

図B 侵食・運搬・堆積を1つの図でまとめる
流れる水の働きを「川の働き」模型から読み取り、侵食・運搬・堆積作用をノートにまとめる。











(5)川のはたらきと川の石(実験)

課題③上流と下流の石を比べて、流れる水が石をどう変化させるか調べよう
・上流の石と下流の石の違いを実験で確かめる。
・角張った小石を牛乳瓶に入れて500回振る(班活動)
上流と下流の石を比べて、流れる水が石をどう変化させるか調べよう

【石の粒が小さくなります(泥岩を砕いたものが、変化がわかりやすい)】
上流の石と下流の石の違い(ビンの中に入れて振る前)

【パットに広げてみるとよく分かります】
上流の石と下流の石の違い(ビンの中に入れて振った後)

(6)ふりかえり 教科書に沿って   NHKビデオの活用

 

(7)(8)(9)絵本「川」をもとに、川のはたらきについて解説文を書く。

・絵本の台紙作成        
・色塗り…川は青、河原は黄色で塗る。   
・板書の絵本の読み取り(話し合いで) 
・吹き出し(・読み取ったことを班ごとに) 
・各自作業
絵本「川」をもとに、川のはたらきについて解説文を書く。

絵本「川」をもとに、川のはたらきについて解説文を書く。
【子どもの絵本の作品より】
絵本を読んで、班ごとに黒板に書き込んだ「吹き出し」より
②ふん火してできたくぼみに雨水や雪どけ水がたまってカルデラ湖ができた。
⑫カーブをつっきって、三日月湖ができた。
⑫三日月湖は昔は川だった。
⑬他の川とつながって、はばがだんだん広くなっている。
㉑⑥では木材をいかだで運んでいたけど、㉑では船で運んでいた。

A さんは、2ページ毎に解説文を書きました。
①②山の雪どけ水や地下水、雨が集まって川になり流れていきます。
③④山上湖から流れ出した水が山から①の川にくわわります。そして、川はばが、少し広くなります。
⑦⑧川はがけをけずって(浸食)、流れていきます。けずった石は運ばれて8うんぱん)どこかにつもります(たい積)。それが河原になります。
⑨⑩流れてきた小さい川が山から流れてきた川に合流しています。

(10)NHKビデオ活用でまとめ

・土地を削る川
・曲がった川での流れの速さ
・水の流れる速さと石
・川の働きでできた地形

(11)テスト  友だちの絵本を読みあう 


4.教材研究

(1)日本の川について

① 日本の川の特徴
・日本地形図     ・白地図 川 ・山脈・・・児童の作業用

②川のはたらきの模型 ・・・・・1~5  
並べ替えを通して河原の変化を読み取り、川の働きをつかむ。

③上流の石と下流の石
化石採集で使った泥岩を砕いて使う。
安全のため、牛乳瓶の周りを雑巾でまく。また、上下に振らないようにさせる。(上下に強く降ると割れる)

④川のはたらきき  絵本「川」 加古里子 著
・1ページごとにカメラで撮ったものを厚紙に張る…黒板に張って児童の読み取りに使う
・縮小コピーして児童に配布(①~⑬)・・・・・・つなげて絵巻物にする
・色塗り…川は青、河原は黄色で塗る。
・吹き出し・・・・読み取ったことを班ごとに1枚書いて張り出す(イメージの共有)
・各自作業

(2)学習指導案(略案) 絵本からの読み取り(上流)

〇本時の目標 流れる水の3つのはたらきを学習したことを生かして、絵本「川」の上流編から3つのはたらきを読み取る。
〇教材について 絵本「川」(加古里子著)を絵巻物風にして、集団で読み取り、学んだことを各自の作品(巻物絵本)の中に書いて(次時)、理解を確かなものにする。

4 本時の展開(略)

(3)流水実験

この年度はやりませんでしたが、今年はプランターを使って班ごとにやりました。プランターにふるいで振るった細かい土を入れて、川をつくり、川に沿って楊枝をさして、斜めにしてペットボトルで水を流すと、流れの外側が崩れます。やり方にはいくつかコツがあります。
【「川」の両側にようじを軽く差す】
「川」の両側にようじを軽く差す

「川」の両側にようじを軽く差す
【流れの外側のようじが倒れる】
流れの外側のようじが倒れる

流れの外側のようじが倒れる

(4)山と川の地図を用意

社会科の地図帳やや白地図から地図を用意しておきます。子どもたちと一緒に火本列島に北から南へと山脈が連なり、そこから太平洋と日本海へ流れ込む川は、短くて急流だと分かります。
日本列島に北から南へと山脈が連なり、そこから太平洋と日本海へ流れ込む川は、短くて急流だと分かります

日本列島に北から南へと山脈が連なり、そこから太平洋と日本海へ流れ込む川は、短くて急流だと分かります

(5)絵本「川」(加古里子)

東京の多摩川の源流からたどり、東京湾までの流れを絵巻物のように表しています。半世紀前の作品ですが、川の浸食・運搬・堆積という3つのはたらきを実によく示しています。
東京の多摩川の源流からたどり、東京湾までの流れを絵巻物のように表しています

子どもたちの書き込み例
絵本「川」への書き込み例①

絵本「川」への書き込み例②

絵本「川」への書き込み例③

絵本「川」への書き込み例④

絵本「川」への書き込み例⑤

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