2018-01-28

天気の変化

【5年 天気の変化】

雲のでき方と名前、上空の偏西風と雲の動く速さを知り、楽しく学びます。ペットボトルやビーカーで雲をつくる楽しい実験もあります。そして、雲の動きと天気の変化がわかったら、さあ「ひまわり」の画像をもとに天気予報に挑戦!

1.ねらい(身につけさせたい基礎的知識を中心に)

①天気の変化は雲の動きと関係があることを理解し、雲の出来方や種類が分かる。

②日本の天気は西から東に変わっていくことを理解し、雲の動きや雨の量から天気予報が出来ることが分かり、自分で予報ができるようにする。

③雲や雨の資料をもとに考え、進んで調べようとする。

留意点
・教科書の基本的事項を押さえたうえで、様々な資料を活用し、基礎的な知識を身につけるようにする。
・毎時間のねらい・展開を明確にしてノート指導を丁寧にする。
・毎時間の板書を写真でとり、1時間の学習の流れが子どもに理解しやすくなっていたか授業を振り返る。

2.学習指導計画

(1)教科書を見ると(9時間)

(1)雲の様子と天気の関係を話し合う  
→天気と雲の様子の関係を考えさせる
(2)(3)(4)雲の様子と天気を観察して、天気の変わり方を調べる。
→6種類の雲の名前・量・動きと天気の変化 
(5)雲の様子と天気の関係をまとめる  
→雲の量と動きが天気の変化に関係している
(6)(7)天気がどのように変わっていくか調べる方法を考える。気象情報をもとに変化を調べて、まとめる。
→気象衛星「ひまわり」とアメダスの情報の活用 日本付近の天気は、西から東に変わっていく。
(8)気象情報をもとに、明日の天気を予報する。
(9)「たしかめよう」・「学んだことを生かそう」

(2)学習指導計画(8時間)

(1)(2) 雲の名前と天気の変化
課題①知っている雲の名前を出し合い、仲間分けをしよう。
・雲の種類が分かり、雲の動きで天気が変わることが分かる。

(3)(4) 気圧と天気
課題②雲のでき方を調べ、天気の変化とどんな関係があるか考えよう。
・気圧(低気圧・高気圧)の変化で雲が出来て、天気が変わる仕組みが分かる。
・資料:「ひまわり」の動く画像、アメダス、ヤフーキッズの質問に応える映像(気圧とは何か、高気圧と低気圧)

(5) 天気の変化
課題③日本付近の天気はどのように変わっていくのだろうか。(気象庁HPから考えよう)
・4日間の日本の各地の雲の動きと天気の変化の関係を1~4時間目で学んだことを生かして読みとる。
・雲の名前と動きを、「ひまわり」の画像と写真から読みとる。
・西から東へと雲が動き、それにつれて天気が変化していくことが分かる。

(6目)(7) 天気予報
課題④雲の動きと雨量から、天気予報をしよう。
・①~⑤で学んだことを生かして、雲の画像(ひまわり)と雨の量(アメダス)から天気を予報する。

(8) まとめ・テスト
・NHKビデオの活用  ・テスト

3.授業の記録

(1)(2)雲の名前と天気の変化

課題①知っている雲の名前を出し合い、仲間分けをしよう。
・雲の種類が分かり、雲の動きで天気が変わることに気が付くようにする。
・授業の最後に学習したことをもとに、「気象予報士のように天気予報をやろう」と呼びかけ、天気の変化に興味関心を持たせる。
【雲の名前とでき方の授業の板書】

雲の名前とでき方・高さ・種類で10種類の雲を分類しました。

〇教科書の雲の説明は脈絡がなく覚えにくい。・教科書には6種類あるが、各国共通の10種類取り上げ、低い空・中
ぐらいの空・高い空を縦軸にして、雲の種類を横軸にした。
 雲の高さで 低・中・高と分けて、積雲(綿雲)・高積雲(ひつじ羊)・けん積雲(うろこ雲)と教える。雲の粒が上空ではちいさく、低くなるにつれて大きくなり、名前も変わることを話し合いのなかで気づくようにする。この後の雲のでき方の学習の中で、振り返る。
その後、資料をもとに教科書の絵も活用しながら世界共通の10種類に仲間分けする。雲の呼び名では、漢字がとても便利なことにも気が付かせたい。
〇班の話し合では意欲的に様々な雲の名前が出る。班で相談して図に書かせて黒板に貼る。同じ雲も違う呼び名で  出される。オーロラ雲・かさ雲などが出るので別途写真付きの資料を用意をしておく。

【子どものノート】
◇考察 漢字に注目すると、この雲にはどういう意味があるかと考えることができました。
◇考察 一人で書くよりも、みんなで出し合ったから、いろいろ学べた。雲で天気がわかるから全部覚えたいと思った。ほかにも天気がわかるものを調べたいと思いました。

ノートに書く時のモデルをこのように子どもと同じノートに書き、教材提示装置で大きな画面に提示する(ノート指導)
また、学校図書館の本を同様に提示して理解しやすいようにする。

【ノート見本(どこにどれぐらいの大きさで書くか)】
雲の種類とでき方をノートに書く位置を示した見本です。

・電子黒板で見本を見せると、イメージがつかめる

 

(3)(4)気圧と天気

課題②雲のでき方を調べ、天気の変化とどんな関係があるか考えよう。
・気圧(低気圧・高気圧)の変化で雲が出来て、天気が変わる仕組みが分かる。

①上空で、水蒸気が水滴になり雲ができることを理解する。これが、2学期の台風の学習につながる。

②気圧(低気圧・高気圧)の変化で雲が出来ることに気が付く。これを次の天気の変化につなげる。(雲と天気の関係)

③日本では、雲が西から東に動き、天気もそれと同じ様に西から東に変わることが分かる。

◆資料:気象衛星の動く画像、アメダス、ヤフーキッズの質問に応える映像(気圧とは何か、高気圧と低気圧

実験A

ペットボトルの上の方を切って、お湯(南の海)を入れます。ふたをしたペットボトルの上部を逆さまにして氷水を入れて、ペットボトルにかぶせます。するとあっというまにお湯(海面?)から水蒸気があがり、湯気となり、、ふたの氷水(上空)で冷やされて対流する様子が見られます。
ふたをとるとペットボトルの壁に水滴がついていて、雲?が周りに一気に広がります。海面から暖められてた水が蒸発し、温度が低い上空で水蒸気が水滴になり、雲になることが分かる実験(4年の学習の振り返り)

実験B

ペットボトル(炭酸飲料用の丸いもの)の中に水を入れてふたをして、強くふります。中の湿度をあげてから水を捨てます。中に10秒ほど線香の煙を入れてやるとはっきり見えます。
ふたをして押すと、高気圧状態になり雲が消え、手を放すと低気圧状態になり中に雲ができることを確かめる実験。雲は目に見えない空気中のちりが芯になってつくられることを話してあげます。
ふたを取ると雲がわーと広がります。何度でもできます。手でペットボトルを横から押すと、中の体積がギュッとちぢめられて高気圧。雲が消えます。
手を離すと体積が増えて(空気が先ほどより薄くなる)低気圧。雲がはっきりと見えます。

〇低気圧・高気圧のでき方をやると、活発に意見が出る。(自転車のタイヤ、満員電車の例え)

〇黒板に絵を書き、理解しやすいようにして、さらに資料プリントを配布しノートに貼る。

【実験A 上空で雲が出きる】
下から湯気が上昇し、上で氷水で冷やされて雲になる。

【実験B 手で押すと消えて、離すと雲ができる】

水を入れて振って出し、湿度の高い状態をつくります。


【手を離すと、「低気圧」。雲ができる】
手を離した直後は低気圧。雲ができます。


【気圧と天気の授業の板書】
高気圧・低気圧を図で示しました。


【子どものノート】
◇Aは、じょうはつした空気が上空で冷やされて雲ができている。B、は押すと空気がパンパンになっていて高気圧になって雲ができなかった。

◇2つのやり方で雲を作り出すことができて楽しかった。雲のでき方についてくわしく知ることができた。また、低気圧だと雨、高気圧だと晴れということもわかった。今度、山に行った時に空気がうすいというのはどういうことか体験したい。

◇以前から、高気圧、低気圧ということを知らなかったので知れてよかった。また、上昇気流・下降気流という言葉も知れてよかった。そして、課題のことも、上昇が雨、下降が晴れということも知れてよかった。

◇前まで高気圧や低気圧という言葉が天気予報で言われてもよくわからなかったけれども、天気と気圧の関係が、今回の授業でよくわかりました。また、日本の地形が天気とどのように関係しているのか、調べてみたいと思いました。

◇海上で蒸発した水蒸気は上空で冷やされて雲ができる。空気が上昇気流で上に行く。低気圧になる→くもりか雨

◇気圧が高いところは、下こう気流で雲が飛ばされて雲はない。高気圧→晴れ

◇Aは、水を蒸発させて雲をつくる実験。Bは、高気圧と低気圧をじゅんばんにくりかえす実験。ペットボトルを押すと中の気圧が高くなるため、雲ができにくい。しかし、ペットボトルから手を放すと中の気圧が低くなるため、雲ができやすくなる(低気圧)。

◇湯から蒸発した水蒸気が氷水に冷やされて、せんこうが雲のしんになって、雲になります。Bは、水を入れてふり、しつどを高くして、雲のしんになるせんこうを入れ、高気圧や低気圧のじょうたいにする。

(5)天気の変化

課題③日本付近の天気はどのように変わるのか。(気象庁HPから考えよう)

〇4日間の日本の各地の雲の動きと天気の変化の関係を1~4時間目で学んだことを生かして読みとる。
〇雲の名前と動きを「ひまわり」の画像と写真から読みとる。
〇西から東へと雲が動き、それにつれて天気が変化していくことが分かる。
(雲の動きは平均時速50キロとして、今日の九州の天気が翌日の東京の天気に反映する)
○日本では、雲が西から東に動き、天気もそれと同じ様に西から東に変わることが分かる。

◆資料:気象衛星「ひまわり」の動く画像、アメダス、ヤフーキッズの質問の映像(気圧とは何か、高気圧と低気圧)

【天気の変化の授業の板書】

地図を使って偏西風の動きを示します。


〇社会科の日本地図黒板を使う。(マグネット式)
日本上空ではいつも西から東に風が吹き、雲が動く←(地球儀を使い)地球の自転からこうなるとわかる
 ↓
九州~大阪~東京 1000㎞ 雲は風に乗って時速50キロで動く
 ↓

話し合いで、九州から大阪まで半日、東京まで焼く日かかることに気付かせる。(がポイント)
 
〇パソコンを電子黒板につなぎ、気象庁HPを出す。画像を拡大して、リアルタイムに気象衛星ひまわりの24時間分の動きを見せると、日本付近の天気が西から東に変わっていくことをよくわかる。地球的規模で考えると、日本付近の様子が分かる。

〇学習して分かったことを、ノートに詳しく書かせ、読み合って、加筆させる。(ノート指導)

【子どものノート】
◇天気を調べる方法は、地球が西から東に自転していて、上空の風・雲も同じ動きをするから天気がわかるので、家のニュースを見ながら天気を調べたいと思います。

◇私は、今日の学習をするまで、天気予報で天気がなぜ西→東に変わるのか、ぎもんに思っていました。しかし、雲が西→東と変化することで、天気も西→東に変化することを知って、おどろきました。

◇今日のじゅぎょうで、自分も西の天気がわかれば、天気を予想できると分かって、調べてみたいと思いました。偏西風の速さはかわるのとか偏西風のことをもっと知りたいです。

◇雲はかたちにより雨がふる・ふらないというちがいがわかりました。低気圧はどのぐらい空気がうすいか知りたいです。

◇種類が10こしかなくて、自分が知らない雲があってすごくおもしろかったです。

◇やがて雲になる水蒸気は、どんなところから蒸発しているんだろう。

(6)(7)天気予報

課題④雲の動きと雨量から、天気予報をしよう。
〇1~5時間目で学んだことを生かして、雲の画像(ひまわり)と雨の量(アメダス)から天気を予報する。

〇教科書の資料と今日の天気(授業日)の資料から天気を予報する。(演習)

〇翌日の天気予報を文章で書いてから発表する。その後、教科書で確かめる。これを2回行う。
(天気予報)。子どもたちは、学習が始まってからテレビの天気予報をよく見るようになっているので、よく考えた文章を書ける。

【天気予報の板書】

雲の画像とアメダスから天気を予報します。
【子どものノート】
◇こんにちは、4月23日と週末の天気予報をお知らせします。金曜日は全国的に晴れやくもりのところが多いでしょ
う。しかし、九州や沖縄は雨がふるかくりつが高いので、お出かけの時はおりたたみがさをおもちになるとよいとおもいます。週末は全国的に天気がくずれてしまう予想です。東京や大阪をふくめ近畿地方や東北地方でお出かけの方は、かさをわすれないようにしましょう。

◇4月23日の正午の天気をお知らせします。関東地方ではカラッと晴れて、お出かけには最適でしょう。次に九州地方の天気です。福岡の方では、雨がふることでしょう。お出かけにはかさがひつようでしょう。最後に近畿地方は晴れてお出かけにはピッタリの日でしょう。

◇4月24日(土)正午の天気予報をお知らせします。東京や大阪などでは、雨がふるみこみです。特に近畿地方ははげしい雨がふるでしょう。お出かけをする時には、かさを持っていかれた方がいいでしょう。九州では雲がおおいかぶさるようになっています。雨のふる所がおおいでしょう。

◇4月22日の正午の天気予報をお知らせします。今夜は全国的に晴れるところがおおいでしょう。ただ、明日になると南西から雨雲が来て、九州地方では雨が降る所が多くなります。せんたくは、なるべく部屋で干すようにしましょう。本州・東北では曇りになる見込みです。以上天気予報でした。

(8)まとめ・テスト

・NHKビデオの活用
・テスト

 5.教材研究

(1)おぼえておくと、天気のことがよくわかる話(気象庁HPをもとに作成)

~中学校で勉強する・・・ちょっとむすかしいけれど~            

①気圧って何?

 気圧は空気の重さによってできる力です。空っぽのビニール袋と、空気を入れたビニール袋をはかりにのせてみると、空気が入っているビニール袋の方が重くなります。空気にも重さがあることがわかります。
この空気の重さによって、はたらく力が気圧です。
空気の量が多くなればなるほど、この力が大きくなり、気圧が高くなります。
 山の上と地上では、山の上の方が上にのっている空気が少なく、押される力が弱いので、気圧が低いのです。山の上でおかしの袋がふくらむのはこのためです。

 

②高気圧・低気圧って何?

気圧は、空気の重さによってできる力。その気圧が高いのが高気圧、低いのが低気圧です。高気圧は晴れやすく、低気圧だと雨が降りやすくなります。
 高気圧では、まん中に「下降気流(かこうきりゅう)」という下に向かう空気の流れがあって、まん中ほど空気が多くなるから、中心ほど気圧が高くなります。下降気流は、雲を消す効果があるので、高気圧が近づくと晴れるようになります。 低気圧はその逆で、まん中に「上昇気流(じょうしょうきりゅう)」という上に向かう空気の流れがあって、その部分の空気が少なくなって気圧が低くなります。上昇気流は雲や雨雲を作る効果があります。天気図の高気圧と低気圧の場所から、明日の天気を予想することができます。

③空気の重さ

 空気(気体)は、水(液体)や鉄(固体)のようにそのままで、重さをはかることはできませんが、押しちぢめることができるので、重さをはかることができます。空気は、1リットルで1円玉一個(約1g)と同じくらいの重さがあります。気体は、とても軽いため、ふだん重さを感じませんが、気体の種類によってきまった重さがあります。

〇「Newtonライト 気象の基本」(ニュートンプレス社)は、分かり易く、教材研究に最適でした。

(2)雲の種類のプリント(A4版)

学習のポイント    雲の様子と天気

課題 雲の種類を調べよう・・・・・・・空の広さを10とした時に

快晴 雲の量が  0・1  
晴れ 雲の量が  2~8  
曇り 雲の量が  9・10       

雲の種類 ・・・漢字に注目
巻【絹】(けん)・・羽のようにうすく白いすじのような雲
積(せき)・・・・わたのかたまりのような雲           
層(そう)・・・・低い空一面に広がった雲       

巻(絹)雲(すじ雲)  高い空で、はけで書いたような白い雲

積雲(わた雲)    低い空で、かたまりのような白い雲 

巻積雲(うろこ雲 ) 高い空で、丸く小さな白い雲

層積雲(うね雲)   低い空で、広がったいろいろな形の雲

乱層雲(雨雲)    低い空で、1面に広がる雨をふらす灰色や黒雲

積乱雲(入道雲や雷雲)  大量の雨をふらす

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